先端メディア表現コース特別講義
サカエチカ クリスタル広場で、本学先端メディア表現コースの学生が自由な表現をするプロジェクトに参加しました。
2022年度、愛知・岐阜の映像メディアを専門とする7つの大学が集まり、サカエチカのクリスタル広場にある立体的なLED柱を使用して、自由な表現をするプロジェクトに、名古屋芸術大学の先端メディアコースの学生が参加しました。
このLED柱は、大型平面LEDディスプレイとは異なり、4本の柱を使って映像空間を作り出し、新しい映像体験を提供する貴重な場です。
このプロジェクトは、学生たちが新しい表現媒体に触れる良い機会であるとともに、クリスタル広場を訪れた方々に新しい体験をしていただけるプロジェクトです。
参加大学
愛知県立芸術大学 ・愛知淑徳大学 ・情報科学芸術大学院大学(IAMAS)・椙山女学園大学・名古屋学芸大学 ・名古屋芸術大学・名古屋造形大学
作品放映期間
2023年1月12日 〜 2月3日 7:00〜24:00
タイムスケジュール(毎時間およそ)
0:06 名古屋造形大学
0:15 名古屋芸術大学
0:23 名古屋学芸大学
0:30 椙山女学園大学
0:38 情報科学芸術大学院大学
0:47 愛知淑徳大学
0:55 愛知県立芸術大学
詳細は以下のリンクよりご確認ください。
http://www.sakae-led.info/
《学内連携プロジェクト》【1Min Project 2022】先端メディア表現コース x サウンドメディア・コンポジションコース
2022年夏から冬、音楽領域サウンドメディア・コンポジションコースで作曲・録音・音響を学ぶ学生とデザイン領域先端メディア表現コースで映像を学ぶ学生が、ツールを使ってコミュニケーションし、1分程度で起承転結する映像作品と音楽・音響作品を制作しました。
音楽主導で制作する「Movie on the Sound」、映像主導で制作する「Sound on the Movie」。
まず、どちらかが先にコンセプトと音や映像のアイデアを提示し、共同で作品制作を行いました。
作品の詳細は以下のリンクよりぜひご覧ください。
Movie on the Sound
Sound on the Movie
2022年3月11日〜27日「Street Capturing in Nagoya 藤幡正樹 × 名古屋芸術大学」を開催!
Masaki Fujihata x Nagoya University of the Arts
藤幡正樹 x 名古屋芸術大学
普段意識しないそれらとの関係性について、
イメージとAR(拡張現実)技術を介在させて、考えてみる。
旅のおもしろさが、未知の対象への意識の覚醒であるとすれば、
日常は対象への無意識に満ちているということである。
しかし、目的意識を持って対象を見つめれば、
日常もまた旅人的な視線対象へと変容する。
かつては、カメラを持って街に出るだけで、
街が新鮮に見えたものだが、
この感覚さえもがスマートフォン・カメラによって陵辱されてしまった。
ワークショップでは、対象を「刈り取る(Capture)」ことについて再考します。
街中にあるさまざまな事物を探し出し、選びます。
それを手で取り上げてポケットに入れます。
同時に、その行為をカメラで撮影します。
ここまでで2重のCaptureが生まれます。
展示では、その事物を展示し、
同時にその切り取り作業そのものの記録者が鑑賞者の視覚によって、
3重にCaptureされることになります。
この展覧会では、藤幡正樹氏によるワークショップに参加した学生の成果物などを展示します。
■展覧会の概要
アーティスト|藤幡正樹によるワークショップに参加した名古屋芸術大学の学生
会 期|2022年3月11日(金)〜3月27日(日)11時~19時 金曜日〜日曜日・祝日
会 場|アートラボあいち
入場料|無料
主 催|名古屋芸術大学、国際芸術祭「あいち」組織委員会
助 成|一般財団法人地域創造
■展示の内容
日常的に目にしていても普段はあまり意識することがない、自分たちが住む街やその中にある様々な事物と自分との関係性について、イメージとAR(拡張現実)技術を介在させて考えてみます。その結果、どのような関係性が見出せるのか、藤幡正樹によるワークショップに参加した名古屋芸術大学の学生による成果物と活動の記録によって紹介します。
■新型コロナウイルス感染症への対応
新型コロナウイルス感染拡大状況によっては、展覧会の会期などを変更・中止する場合があります。その際は、アートラボあいちWEBサイトでお知らせします。
鯱バス×先端メディア表現コース デジタルツーリズム「withコロナ時代の新”旅体験”モデル 共同研究」始動
地域の観光資源を活用し、従来型の観光を単に置き換えるだけではない「デジタルツーリズム」を目指し、東海地区の特性を生かした産業観光としての魅力、またそこで働く人にもスポットを当て、新たな体験価値を提供できるデジタルツーリズムの創出にチャレンジします。
キックオフとしてこのプロジェクトに参画する、株式会社えびせんべいの里様、株式会社まるや八丁味噌様、大野精工株式会社様の3社を、学生らが見学しました。
見学には、鯱バス様のご協力でバスを用意していただき、1日かけての見学となりました。鯱バス 経営戦略部の方々に加え、宇津木滋 代表取締役社長にも同行していただき、学生たちにとって見学会そのものが貴重な経験となりました。
午前中は、えびせんべいの里 美浜本店へ。
50種類近くのえびせんべいがズラリと並ぶ販売コーナーから入り、工場見学、えびせんべいの製造などを紹介した映像を見て、休憩コーナーでディスカッションを行いました。
食品を扱うだけに通常の工場見学ではガラス越しの見学となりますが、えびせんべいの魅力を伝えるためには焼き上げたり油で揚げるときの音がポイントになるとの意見。
シズル感のある音と映像のためには撮影場所の工夫が必要で、ご協力をお願いすることとなりました。また、えびせんべいが地元の食文化に根付いていることもわかり、歴史的な側面からも興味深い食べものであることがわかりました。
次は岡崎のまるや八丁味噌へ赴きました。
まるや八丁味噌では、普段から観光客向けに蔵見学のコースが設定されており、そのコースに従って見学しました。
蔵に入ると、濃厚な味噌の香りが漂います。
米味噌とは異なる八丁味噌の製法について説明していただき、巨大な木樽とピラミッドのように積まれた石積みを見学。
石の積み方に職人のこだわりと技があり、いままで地震で崩れたことがないなど、さまざまなお話を聞かせていただきました。
八丁味噌は室町時代からの歴史が有り、蔵の中にも豊臣秀吉の逸話が残る井戸や江戸時代に作られ今もそのまま使われている蔵など、いくつも見どころがありました。映像撮影のポイントとなりそうな石積みについても、タイミングを合わせて作業日に撮影に入れることや、樽の上に登って撮影することなどの確認と許可をいただきました。



最後は、西尾市の大野精工様 King Farmにお伺いしました。大野精工は金属加工の会社ですが、2016年に新事業として農業分野に参入。
農園King Farmを開業し、いちご狩りやカフェを運営しています。
King Farmでは、いちごのハウス、プチトマトのハウス、カフェを見学させていただきました。ハウスには近代的な設備が導入され、製造業の考え方を取り入れたまさにハイテク農業といったものです。しかしながら強く印象に残ったのは、ハウスを管理している人のいちごやトマトに対する愛情です。
設備についての説明の言葉の端々からも、いちごやトマトが大好きであることが伝わってきます。
そうした思いをどうすれば伝えられるかが課題となりそうです。
それぞれの場所でしっかりと説明を受け、その魅力を存分に感じることができたとても有意義な見学会となりました。
しかし、それ以上にまだまだ魅力的な部分がいずれの場所にもたくさん隠されていそうな感触もあります。
プロジェクトは、先端メディア表現コースで来年3月までに制作を行い、4月以降鯱バスでテストマーケティング(試⾏販売)を行う予定となっています。
デジタルツーリズムという新しい分野に取り組んでいる鯱バス 経営戦略部の考え方も興味深く、このプロジェクトどういった形で結実するのか非常に楽しみです。
【卒業生の活躍!】メディアデザインコース卒業生 手島悠花さんが「日経ARアワード」にて審査員特別賞を受賞しました!
日経新聞社が行う、紙面広告に「日経ARアプリ」をかざして
現れる3D映像、動画、音などのコンテンツを組み合わせて、
新聞広告の概念を超える表現を募集したコンテスト「日経ARアワード」にて、
本学デザイン領域メディアデザインコース
(※次年度から「先端メディア表現コース」)の
卒業生 手島悠花さんが、審査員特別賞を受賞しました。
就活の際に企業情報と実際とのギャップで内定を辞退した経験が、
このアイデアのきっかけとなったそうです。
ご自身の失敗談がアイデアの糧となり、受賞につながりました。
手島悠花さん おめでとうございます!
ALPs(超域創造プログラム)始動、林千晶さんをお招きしてデザインと社会について伺う
2021年1月28日、ALPs 初めての活動として、
株式会社 ロフトワーク代表取締役 林千晶さんをお招きし、
特別講義を行いました。
ALPsとは、「Applied – design Leading Programs」の頭文字をとったもので、
来年度から始まる領域、学生・院生・教員といった
立場も越えて参加できる実践的なプロジェクト型プログラム。
本格的な始動の前段階として、
すでにさまざまな事業で社会とのかかわりを模索し
新たな関係性を作り出している林さんをお招きし、お話を伺いました。
講義は、名古屋栄ヒサヤオオドオリパークにある
FabCafe Nagoyaと西キャンパスB棟大講義室をリモートでつないで行いました。
FabCafe Nagoyaは、(株)ロフトワークと
大垣共立銀行グループの(株)OKB総研が運営するカフェで、
レーザーカッターや3Dプリンターなどデジタルファブリケーション機器を設置した
体験型のコミュニティ・カフェ。
ALPsの始動にふさわしい場所といえます。
この日、ネットワークシステムを加藤良将講師が準備、
大講義室には臼井拓朗講師、
FabCafe Nagoyaにも有志の学生とデザイン領域の荻原周教授、駒井貞治准教授、
竹内創准教授、水内智英准教授が集まり、講義が始まりました。
今後のALPsの活動にとって非常に刺激的で参考になる内容となりました。
今回の講義では、社会とデザインの接点ということで、
林さんの活動の中でも飛騨の木材の可能性を広げ新しい価値を生み出している
「株式会社 飛騨の森でクマは踊る」(通称ヒダクマ)の活動を中心に紹介していただきました。
ヒダクマは2015年創業、社員12人の小さな会社ですが、
クリエイトの力で世界とつながる異色の企業。
大きく分けて2つの事業を軸としており、
一つは地域交流事業で、古民家を活用しFabCafe hidaを運営、
木材を使ったワークショップや林業や地域社会について考えるイベントなどを展開しています。
もう一つは、飛騨の森の木を活用する事業。
通常、林業では使われない広葉樹を活用、利用の拡大を促す事業です。
飛騨市は、面積の9割が森林で、
その森林の7割が広葉樹の森なのだそうです。
日本の林業は、採算性の高い針葉樹のみを木材の対象としており、
飛騨市の森は、森であっても林野庁から見た場合では
木材資源にカウントされないのだといいます。
「飛騨の広葉樹の出口を作りたい」という課題に、
通常では材木にならない曲がった木や小径木を、
木肌の色味の違いや組み合わせて使うなど
これまでの林業の常識とは異なった価値に着目し、
数々のプロダクトを成功させていきます。
古くから伝わる木工技術とコンピューターやICT技術を組み合わせることで、
プロダクトを成立させているところがとても興味深いです。
これまでの林業の常識にとらわれない新たな視点がプロダクトのポイントといえます。
後半は、学生からの質問を受け、ディスカッションを行いました。
質問には、SDGsは今後ますます重要になっていくと思われるがどう見ているか?
日本の伝統的な木工技術とデジタルの関係について、木の色目に着目したきっかけは?
などが挙げられました。
SDGsについては、SDGsはこれまで効率のみを考えてきた
もっと上の世代を啓蒙するための言葉であり、
若い世代は未来に残したい自然や文化など、
現実としてSDGsの価値観が備わっているはず。
そうした自分の感覚を大切にして欲しいといいます。
伝統技術については、ヒダクマでは実際に大工さんに作業をお願いすることもあり、
伝統技術を守るための会社でもあるといいます。
伝統技術とコンピューターは競合するものではなく、
技術を生かして次の世代に伝えるためのものであり、
コンピューターのなかった時代の技術をどうやってコンピューターで使うかを考える時代。
そうしたことを考えるのも芸大の使命なのでは、と問いかけます。
木の色味については、創業した5年前はまったく知らなかったといい、
フィンランドやドイツといった世界の木材輸出国では
10種類程度の樹種しかないが日本には100種類以上の多様な広葉樹があり、
広葉樹の利用を広げないと輸出もできないといいます。
ヒダクマは、林業の常識から外れたことばかりやっているが、
それでも収益が上がることを証明するためにやっている部分もあり、
大量生産では解けない、自然の価値を上手く使い、
その価値が長く残ることを目指していると説明しました。
さらに、自分たちのプロダクトの価値をどうやって見定めているか?
デメリットをメリットに変換するための視点について、
という核心を突くような質問が挙がります。
この問に対し林さんは、価値として自分がいいと思うか、
自分の友達や家族が使いたいと思うか、
自分の知っている範囲でしっかりと考えることをやっているといいます。
マーケティングでは、20代女性の80%といった具合に
現実には存在しないペルソナを想定してターゲットを設定しますが、
それよりも特定の誰かの言葉や考えていることこそが大事で、
想定ではなくその事実がものごとを決めるときの基礎になっていくといいます。
マーケティングでは何十万人という消費者を塊として捉え、
デザインはそれに応えるための中間的なプロセスとして存在しますが、
そうではなくひとりの人間を見てその人に届けるためのデザインがあり、
それは多くの人に伝わるものであるように、
プロダクトの作り方が今後変わっていくのではないかといいます。
コンセプトを作るためにデザインリサーチがはじめにあり、
デザインが最上流になっていくのではないかと説明しました。
無理だとあきらめるアイデアと挑戦すべきアイデアの違いをどう判断しているかについては、
実現の可能性を示す意見が出てきたらそれを追求するといい、
判断で迷うのは、世の中がいいという案と
危険だけど自分ではやりたいと思う案のどちらかで迷っているはずであり、
人生は一度きりなのでリスクがあってもやりたいことを選んで欲しい、
と学生にエールを送りました。
最後は、世の中で一番尖っている人が集まっているのが芸大。
一つでも質問し、一つでも行動して、世の中を変えていって欲しい、
皆さんに期待しますとまとめ、特別講義は終了となりました。
<サカエチカ クリスタル広場ビジョン> 7つの大学による映像コラボレーションに、本学の学生が参加!
サカエチカ クリスタル広場にて、
愛知・岐阜の映像メディ アを専門とする
7つの大学が集まり大学間連携し、
それぞれの学生が思い思いに表現した65作品を
クリスタル広場の中央LED柱(クリスタル広場ビジョン)に
放映するプロジェクトに、本学の学生が参加しました。